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愛猫やらお人形やら美柴双子やら…
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優希シリーズの別館作りに奮闘しております。
基本 優希とアキラだけ!とか 中鴇が主体ではないお話はその別館に、と思って 書庫に試作的に繋げたのですがー…
これはまた作品が増えてきたら(あちゃー)てなりそうです。笑”

だったら捏造専用ブログでやっていった方がラクそうだな…笑”
まぁとりあえず色々試行錯誤してみようと思います!


■以下、優希とアキラのお話。
…そう、こうゆうの↑を別の場所に書いた方がいいんじゃないかってことなんだ!笑

■白兎による ライオン観察記


真っ青な草原に、一匹のライオンがいる。
仲間なんて一匹もいないライオンは まだまだ若くて、けれど若いからこそ 尖った空気を放っている。

でも、よく見てみて。

そのいかにも凶暴そうなライオンの背中にはきっと、白い兎が満足気に座ってる。

(さぁ、今日はどこまで歩こうか)
(お前は歩いてねーだろが!)

このライオンは優しくて 不器用で、ほんとは凄くいい奴なんだよ。

白い兎はそう笑って、ライオンのたてがみに寝転ぶんだ。


【ライオンのこと】


ある日、アトリエの中庭に子猫が迷い込んできた。
作画中だった優希は 視界の隅で ぱたぱたと走り回るその子猫を見つけ、窓を開けた。

「何してんだーよ」

コミックを顔に乗せて ぐーたらとソファーで昼寝をしていたアキラは、流れてきたそよ風に身を起こした。
見れば 中庭に降りた優希が、むしった雑草を振って 子猫を構っている。

(見てー かわいいー)

嬉しそうに子猫を抱えると アキラに見せる。
ひょろりとした薄茶の猫は 人に慣れているようで、優希が んーと頬擦りしても逃げようとしない。
触ってみてよ と言わんばかりに差し出された猫に、アキラは引きつった顔で一歩後ずさる。その様子に 優希が首を傾げて にやんと笑った。
「!」
そうして、意地でも触らねぇーとアトリエに逃げるアキラを ほらほら と追いかけ始めた。

「~~~やーめーろってマジで…!!」

優希は幼い頃から動物が好きだった。
反して アキラは少し、苦手だ。

そのうち子猫は優希の腕の中から飛び降りて、アトリエで一番日の当たる場所を陣取る。

(可愛くない?アキラねこ嫌いだったっけ?)
「……嫌いじゃないけどさー」

ころんころんと床に背中を転がす子猫を 二人は屈んで見守る。
優希の質問に少し眉を寄せて アキラは腕を組む。

「こうゆうのって、どう触っていいか分かんなくね?」
(…えー?そんな難しいものじゃないと思うんですけど)
クスクスと笑う優希は さてと立ち上がるとパレットを手にする。
丸まって寝始める猫をよそに作画を再開する優希に、慌てて裾をぐいと引っ張り寄せた。

「って!この猫どーすんだよ 早く外出せって!」
(どうして?)
「ノラ猫だろ?居ついちまったらどうすんだよ」
(アキラよりは困らないよ)
「悪かったな居ついてて…!!」
(いい機会じゃない。アキラの猫嫌いが治るかもよ)
「……だから別に嫌いなわけじゃねーんだって」
心底困ったような表情で アキラは子猫を見下ろす。
目が合って、猫はこれでもかと大きなあくびをして見せた。


「くそ、のびのびしやがって」
床に転がって悠々と伸びをする子猫に、ソファーにでかでかと転がったアキラが悪態をつく。
「俺は絶対お前を認めねーかんな!」
(……猫に何言ってるの)
唇と表情でそれを読んだ優希は、呆れながらも微笑ましく猫を一撫でして キャンバスに向かった。


数十分後。
部屋の中が心地良い空気に包まれる。
その空気感を肌で感じ取るのは、背後でアキラが寝入ってしまった時だ。


(!)
ふと振り返った優希の目に飛び込んできたのは、すやすやと寝息を立てる一人と一匹。
アキラの胸の上で、なんと子猫も眠っている。アキラの呼吸に合わせて 小さな毛玉が上下している。

(触れてるじゃん)

寝入っているアキラの手が 子猫の頭に乗っかっているのを見て、優希はそっと微笑んだ。




それから数日。
子猫は居心地が良かったのか アトリエに通うようになった。
毎回中庭に来た子猫を優希が迎え入れ、アキラの膝の上や胸の上で丸くなる。
気がつくとアキラから率先して 猫を抱えたりするようにもなっていた。
二人でコンビニに出向き、買ったことのない猫のエサを吟味したりもした。
名前をつけようか なんて話題をするようになった頃、


(……来なくなったね…)


猫は突然現れなくなった。

(…どうしたのかな?)
ショックを隠せない優希は 窓に手をかけて中庭をじっと見つめる。
隣のアキラは横目に 今にも涙が零れそうな優希の瞳を見る。
気持ちを入れ替えるように溜め息を吐き出して、窓に背中を寄りかけた。

「…どっかの誰かに拾われたんじゃねーの。あいつ愛想良かったし」
(………そうだといいけど…)
どこかで事故にでも遭ったんじゃないのかな、と続こうとした手話を アキラはわざと遮って 手と口を動かした。
「てゆーか、そもそもどっかの飼い猫だったとかな!ノラにしちゃあ綺麗な毛並みしてたじゃん。な?」
(………そうかな?)
「そうだって!あいつ猫じゃん。食うもんだって自分で捕まえたり出来るぜ絶対!」
(………うん…そうだよね)

アキラの明るい空気の裏に 自分と同じ不安があるのが分かる。
見やれば ピアスだらけの耳の向こうで 寂しそうな目が天井を仰いでいる。
自分を気遣ってくれるアキラの為にと、優希も同じように良い方向に納得しようと 笑った。
不思議と そう思って笑えば、心も少し軽くなったような気がした。




一ヵ月後。
もう猫が来なくなったことに慣れた頃だった。
アトリエに来た優希は、まず空気を入れ替えようと窓を開けた。
そしてカーテンを括っている最中、中庭の隅に見覚えのないものがちらりと見えた。

(………何これ)
生い茂る雑草の中を掻き分けると、それはキャットフードが盛られた小皿だった。

(…………これ、)
自分が置いた覚えはない。けれど思い当たる節はある。
なにせそれは、アキラ専用のカップ皿。

キャットフードは、まだ真新しい。

(……………バカ。)
こんなことをしようなんて アキラは一言も言ってなかった。
メールで聞いてみようと、一人 部屋に戻った。
けれど 実際に携帯を手にすると、優希はメールを打たなかった。
もう一度小皿を見る。

(…………まったく)

優希の口元が 息を吐いてそっと笑んだ。



それから、たまにこっそり見に行くと キャットフードは減ったり増えたりを繰り返している。
アキラは優希に内緒で 補充を繰り返しているのだろう。

(言ったら アキラは恥ずかしがるから、)

ほんと、優しくて 不器用で、いい奴なんだから。



■でもベロには開けない 痛いから(黒いブーツ SOPHIA)


この逆バージョンも別ネタで書きたいです。
アキラから見た、優希。きっと終始ドS押し。笑


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