愛猫やらお人形やら美柴双子やら…
拍手をリセットしようと思ったのですが…
拍手に未来捏造シリーズ置くのはどうだろう…と思い留まって こちらに持ってきました笑"
……拍手には、もっと普通のお話を置こうと思います。笑
■以下、アットホームな未来捏造。
■未来捏造シリーズ。大人鴇と無聴覚の養子くんと中条さん。
いつもありがとうの気持ちを込めて。
その日、帰りが遅くなる美柴に頼まれて 中条は優希を院内学校へ迎えに行った。
「………完了、っと」
中条伸人は美柴宅に着いて早々、メールを打つ。
優希のお迎えが完了した事を、心配性で堅物な保護者様にご報告だ。
こうしないと 美柴は仕事休憩の合間に連絡を寄越してくる。まったく、少しは落ち着いて休めってんだ。
携帯から顔をあげると、ぐいっと画用紙が突き出されていた。
(オムライスの作り方、おしえて!)
「あ?」
その文面に 視線を降ろす。
腰の辺りに、優希の輝く期待の眼差し。
せかせかと一生懸命次のページに言葉を書き上げる。
(とき、今日おそいから、ぼくがオムライス作るの!中条さんのも一緒に作るよ!)
「………………。」
…くそ。まったく、可愛い顔で可愛いことを言ってくれる。
……俺は若干”ついで”な感じになってはいるが。
美柴はこの無聴覚の少年を それはそれは大事にしているが、最近俺にもその感情が分かるようになってきている。
こうして急遽開催された調理実習。
日頃 家事の手伝いはよくやっているのを見かけるが、実際にこうしてキッチンに立つのは初めてだったらしい。
幼い優希が持つ包丁が 野菜を切って まな板をトン!と鳴らす度に、寿命が縮んだような気がする。
それもそのはず。勝手な授業で怪我なんてさせたら、それこそ俺はあの保護者様から出入り禁止を食らうだろう。
出来上がる頃にはこっちがくたくたに疲れてしまった。
しかし、重いフライパンを懸命に傾けて オムライスを皿に盛り付ける子供の横顔は 真剣そのもの。
卵は破けてるし 野菜も少し焦げている。でも、
「よく出来たじゃねェーか」
唇が読めるように 顔を見てそう言ってやれば、大きく頷いて 満面の笑顔を見せる。
時計を見上げる。午後八時半。
丁度良く 玄関が開く音。同時に リビングの通報ランプがくるくると光った。
ピクリとランプを見上げた子供は大慌てで キッチンから玄関へ。
声は無かったが、その姿は全身全霊で(おかえりなさい!)と はしゃいでいる。
待っていると、優希に引っ張り込まれるように 美柴がリビングにやってくる。
「よぉ。」
「……何したんだ…?」
横目にキッチンを見た美柴が 訝しげに視線を寄こしてくる。
優希はキッチンに入り、ケチャップを手にする。どうやら最後のデコレーションをするらしい。
「調理実習だ。やりてェーっつーから好きにさせた」
「……また勝手なこと…」
「小言は結構。いいから座れ。いいもん見せてやるよ」
そう言って、テーブルの椅子をひいて示す。優希を見て、きっと美柴も何を作ったか悟ったのだろう。
軽く溜息を吐いて 素直にひいた椅子に座った。
優希が、そろそろと慎重に トレイを持ってくる。
美柴の前にトレイを置いて、自分は座らずに 横で美柴を見上げ立った。
ケチャップのデコレーションは、ニッコリと笑った顔だった。
美柴がオムライスから優希に視線を向けると、優希は同じニッコリ笑顔を美柴に返す。
二人の指はスラスラと動いて 何か会話をしていた。表情から察するに きっと「ありがとう」だ。
早速、と一口目を口に運ぶ美柴。
それを横から優希が食い入るように見つめている。まるで褒めてほしくてうずうずしている子犬のようで、笑ってしまう。
美柴はその熱い視線に少しうろたえながらも、きちんと「美味しい」とサインを向けた。
優希が少し照れるように微笑んで、その頭を 美柴が穏やかな表情で撫でる。
カシャリ。
その瞬間を、携帯のカメラで撮影した。
気がついた美柴が眉を寄せる。隠し撮りはお気に召さないらしい。
「……勝手に撮るな…」
「心配すんな。良い写真が撮れてるぜ?」
「……………。」
「こうでもしないと二人で写らねーだろお前等」
そう、この小さな家族のアルバムは ほとんど優希が撮った写真ばかり(しかも超高価なアンティークカメラで)
第三者が二人を揃って撮影したものは 中条が知る限り、無い。
こんなにささやかな幸せを生きている二人を、誰かが形に残してやらなきゃいけないと思った。
「………いつまで居る気だ…」
中条の言い分に溜息を溢して、今度はそう言った。
迎えを要請したくせに随分な物言いだ。
こんな甘ったるいところは、もしかすると他人に見せたくなかったのかもしれない。
しかし今日は逃げられない。軽く鼻で笑ってやった。
「残念だったな、俺の分もあるんだぜ?」
キッチンから、優希が危なっかしい仕種でもう一度トレイを運んでくる。
載っているのは、大きなオムライスと水を酌んだコップ。
ゆらゆらと不安定に水を揺らずコップが 今にも倒れてしまいそうで。
カチャカチャとトレイの上を滑る皿が そのまま落ちてしまいそうで。
「…………………。」
見ているこっちが落ち着かない。思わず美柴の手が止まる。
「んな心配すんなよ 皿持ってくるだけだろうが」
美柴がいやに真剣な面持ちで優希を見守るから、可笑しくて笑ってしまう。
笑いに気付いた美柴からは冷たい一瞥をくらったが、テーブルに辿り着いた優希からは 満面の笑顔を見せられる。
やっとの思いでテーブルにトレイを置き、中条の前にも差し出されたオムライス。
デコレーションは、絵ではなくて言葉だった。
(いつもありがとう!)
ニコニコと見上げてくる優希の頭を 堪らずグリグリと可愛がった。
カシャリ。
今度は美柴が隠し撮りをしてした。
まずい。今のは絶対にゆるい顔をしていた。
「お前…何してんだよ」
「心配しなくても、良いのが撮れた」
「ふざけんな、消せよ」
「さっき自分もやっただろ」
「……お前さ、そうゆうとこホント変わんねーな」
「中条さんに言われたくない」
「あぁ?どうゆう意味だコラ」
カシャリ。
言い合いを始める中条と美柴は、その音に同時に顔を向ける。
(いい写真!)
優希が、カメラを構えて笑った。
■君の事をずっと残しておきたい。
イベント事だけじゃなくて、こうゆう何気ない日常の写真がいっぱいあるアルバムって素敵。
そして若干中条さんが本当にパパ化してきて大変です。でもきっと良い意味で投げやりに見守ってくれそう。
美柴さんはアパレル関連ですが、中条さんはフリーライターなので時間に自由がある、という設定だといいなぁ。笑
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Comment
こんばんは!
中条さんの素敵なパパっぷりにやられて、ついコメントを…(笑)
オムライスを一生懸命作る優希くんも可愛すぎでした(*´∀`*)
優希くんに撮られた中条さんと鴇の写真がすごく見たいです!
未来模造シリーズ、大好きでいつも楽しみにしてます~♪
中条さんの素敵なパパっぷりにやられて、ついコメントを…(笑)
オムライスを一生懸命作る優希くんも可愛すぎでした(*´∀`*)
優希くんに撮られた中条さんと鴇の写真がすごく見たいです!
未来模造シリーズ、大好きでいつも楽しみにしてます~♪
奈子|2009/03/16(Mon)|Edit
また凄く素敵なお話でした!
何気ない日常が優希くんや鴇や中条さんにとって大切な思いでになるとか素敵だと思いました。
そして着実に夫婦になりつつある中鴇(笑)
私はこんな素敵なお話は中々書けないので読んでて羨ましいです!
では、またm(_ _)m。
何気ない日常が優希くんや鴇や中条さんにとって大切な思いでになるとか素敵だと思いました。
そして着実に夫婦になりつつある中鴇(笑)
私はこんな素敵なお話は中々書けないので読んでて羨ましいです!
では、またm(_ _)m。
祐希|2009/03/17(Tue)|Edit
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