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愛猫やらお人形やら美柴双子やら…
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■トキ⇒⇒シギ。嫉妬するトキと ノンケなシギ様。



シギが他の誰かとキスをした。

それはクラスメートとのゲームで命令されたことで、指定された番号を持っていたのがシギだった。
女子が当たるだろう事を期待していた王様は 「あ!俺だ!」と嬉々として手を上げたシギを見て、一瞬にして顔を引きつらせていた。

しかして周囲の面子はそれを盛り上げて、シギも ふふんと鼻で笑い 王様へと擦り寄る。

「なんで逃げるんだよ王様。自分が命令したんでしょ」
「いやッ、えッ、これって普通女子が当たる場面じゃね?なんでよりによってお前!?」
「何だよその言い方!俺だってキスするなら別の人がいいよ、可愛い女の子との激しくキスを激しく希望するよ!!」
「~知らねェよ!つか何堂々と凄い事言ってんのお前!?だったら勝手にしてこい 俺は結構です!!」
「だぁめ。王様の命令は絶対なんだから。」
「王様は俺だぁぁああ!」
「観念しろ お前が命令したことだ」
「むしろシギ君は王様だよ、このクラスの」
「いつから!?いつから王政になったのこのクラス!!?」
「え?知らなかったの? 俺、この国の王様なんだよ?」
「規模拡大してんだろオイ!!」

嫌々と逃げるその王様に、自称 王様はぴったりと甘えるように抱きついて 心底意地悪げに笑う。

「あーもう、うるさいな。俺の事 女の子だと思えばいいじゃん?」
「思えるか!!」
「往生際が悪いぞ。ここは大人しく シギに貞操を明け渡せ」
「渡せるかー!!ってお前ら、なに取り押さえてんだよッ!は、離せッ 近づくなぁぁあ~!!!!」
「はいはい、動かないで。痛くしないからね」
「痛くしないって何!?ちょ、え、マジ!ちょッ…!!」
「ちゅ―vV」

必死に首をすくめるクラスメートに、シギはまるで子供同士のお遊びのように 床に手をついて首を伸ばし フレンチキスをした。

「…………。」

きゃあきゃあと騒ぐその輪から、少し外れていた。
女子が良かったのに と互いにケチをつけ合っている。
懸命に口を拭く王様を 全員で笑っている。
シギも その様子をケラケラと笑っていた。

自分だけが 笑えなかった。

パチリ。
不意に シギと目が合った。ヒヤリとして 顔を背けることもままならなかった。
シギが、視線が重なった一瞬だけ 友人に見せる笑顔とは違う笑みで、こちらを見ていたから。
それは酷く悪戯で 挑発的な視線。
その眼は、ずっと前から自分の中で生まれている醜い感情を見透かしている。

なのにシギは、何も言わず目をそらし、笑ってゲームの再開を催促する。

「…………。」
また騒ぎ始める部屋の空気から 逃げるように 廊下へと出て行った。


「鴇」
「………。」
追って出て来たシギを わざとらしく無視してしまう。
そんな幼い自分の態度に嫌悪しても 納得できないのだから仕方がない。

「どうしたの?なんで怒ってるの?」
「………分かってるくせに…」
ようやく小さく反論すれば、シギはまた悪戯に笑う。

「何を?言ってみてよ 鴇」
「………………。」

片割れへと生まれてしまったこの切ない感情を 持て余してる。
いつだって傍にいた。いつだって同じ事を感じてきた。
それが当たり前だったのに、気がつけば 片割れはどんどんと自分から離れていくような気がする。
置いていかれてしまうような、見捨てられてしまうような……そんな気持ちになる。

「……口、拭けよ」
「え?」
「……キス…した、だろ」

ははッ と小さな笑い声に顔を上げる。シギは心底楽しげに こちらを見ている。

「鴇、目ェ閉じて?」
「!?」

直後、重ねられる唇。
驚きを隠せず 反射的に逃げる体を 背後の壁とシギの手が逃がさない。
その感覚が シギに求められているようで、奇妙に心を跳ね上げていた。

しかし その感覚は長くは続かない。
肩を押して離れるシギは、ただ笑う。

「はい、これで良い?機嫌治った?」
「…………。」
「ほら、早く戻ろ。まったく、本当に俺達 これじゃ変な噂たてられちゃうよ」
「…………。」

傷ついたりなんてしない。
これ以上は何も求めない。

そう決めている。

たとえ これがシギにとって ただの遊びと変わらないのだとしても、構わないのだ。

ただこうして腕を引いて 一緒に歩いてくれるなら……。


■まるで感じない痛みを覚えたよ、僕も。(FAIDIA 清春)

トキに対してノーマルなシギ様を書くのは難しい…!!!笑"
笑いと切なさを融合させたい今日この頃…。でもやっぱり1ページでそれは至難の業でした;;

…というか、甘めのトキ⇒シギのリクエスト頂いていたのに 書いたら思いっきり黒い話になってしまった…!!笑"
出直しますので もうしばらくお待ち下さいませ…!!
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