１００３〈ｲﾁｾﾞﾛｾﾞﾛｻﾝ〉再録

愛猫やらお人形やら美柴双子やら…

2025.07.10 (Thu)

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2009.01.20 (Tue)

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■この1003というサイト、始めた当初はハンターをメインに据え、しかしながらすでにビズを扱っていたわけですが。
大幅に改装した時に持ってこなかったお話も少しあるのです。
二年以上前に載せていたお話ですが二つ､再録という事で…!!笑"

■斉藤から見た、AAAという集団。

【ＡＡＡ】

学校にいると、つるんでる友達と肩を組んだり背中を押したりするのはいたって普通に良くある事だ。
でも、このAAAにおいては全くそうゆう触れ合いは通用しない。

多分…中条さんが俺を殴るぐらいだ…哀しいことに。
……あ。でもこの間は鴇さんにも投げ飛ばされた…恐かったなぁあれは…。
って俺なんかかなり可哀相じゃない？
………あぁ違う違う。そんな話じゃなくて。

とにかく、普通の友達みたいに仲良くなれない。
色んな手段や口実を行使してみるけれど、中条さんにも鴇さんにも目覚しい進歩は一寸もない。
たまに頭にきてもう知るもんか！って思うこともある。

でも、それでも、ゲームが無事に終わって家に帰る時『もうちょっと一緒にいたいな』って…俺は思ってる。

隣に誰かがいる。
それだけでいい。
ただその"誰か"を捜している。

AAAはきっと、『名前のない誰か』を捜しているチームなんだ。

【銀世界】

駅前の広場。
朝になったばかりで人気はまるでない。
ホームレスが撒くパンや生ゴミを鳩がついばんでいる｡そんな光景に慣れたのはいつからだろう｡

ｹﾞｰﾑが終わった朝。
｢AAA｣は今日も生きている。
白灰色の広場を横切っていく。

｢な―んで次の日休みん時にｹﾞｰﾑにしてくんないんスかね？｣
｢あ今日月曜か忘れてた｣
｢俺ガッコなんスけど｣
｢休みゃいい話だろ｣
｢これでも皆勤賞タイプなんですよ―｣
｢真面目だねぇ斉藤君｣
｢バカは風邪ひかないからな｣
｢さらっとヒドイ事を…!!｣

鳩が、数を増やしていく｡
こうして人間が歩いている事すら気にも止めず､我先に餌に群がる。
これがもし人間だったら…｡吐き気がする｡考えてから後悔した｡

｢鳩うぜ―な｣
｢でもたまに白い鳩もいますよホラあれとか｣
｢煙草でも投げつけてやるか｣
｢動物虐待反対！！｣
｢冗談だよ｡あ～それにしても邪魔だ道開けろっつ―の｣

突然斉藤が鳩を飛び越えながら広場の中央まで行き目一杯に息を吸い込んだ｡
残された二人はその姿にまさかと足を止めた｡

「わっっ！！！」

…バサァァァア!!

斉藤の声に鳥達が一斉に飛び立つ。
一瞬目の前が薄汚い銀世界になった｡
銀と灰色の中間の､薄汚い羽のはばたき｡
そのはばたきが耳障りで三人とも耳を塞いで立ち尽くしていた｡

‥‥‥‥‥。

広場ではぽつんと残された人間達が舞い上がった鳥達を見上げている｡
してやったりというような笑顔で斉藤は二人を振り返った｡

｢なんか今のスゴくないっすか！？｣
｢‥‥‥‥‥‥｣

何がそんなに凄いのか二人には全く分からない｡

｢バカかお前は｣
｢うるさい｣
｢ひっでぇ!!せっかくこんなに綺麗にしたのに!!｣

二人のもとまで駆け戻る斉藤はアスファルトの広場を見渡す｡

｢でも、いないといないでなんかちょっと寂しいかも｡…なんて｣

少し笑ってそう言った。

三人が広場を抜ける頃､鳩はまた舞い戻り餌に群がる。

■AAAには、綺麗な雪が舞う景色より薄汚い羽根の舞う景色のほうが似合うと思った。

…………最近の自分の表現方法とたいした相違点が無いような気がして……それを感心していいのか微妙なところです。笑
変わっていくようで実はあまり変わらない、文を書くという能力。
自分の限界では、"本物"には敵わない。
けど、出来るかぎり続けていきたい世界です。

■諦めとは違うよ僕は僕でしかないと、知った（清春影絵）

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