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愛猫やらお人形やら美柴双子やら…
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■がっつり砂糖大盛りな中鴇。




それは、ふと思い立った行動だった。


「お前、指輪はしないんだな」

ある日。
煎れてやったコーヒーを口に運ぶ美柴の隣に 中条は腰を下ろした。

頻繁に会うわけではないが、思い返せば 美柴が手にアクセサリーを付けているのはあまり見かけない。
ゲームの時はもしかしたら意識しているかもしれない。
得物を使う事が多い中条と異なり、初っ端から素手で相手にかかっていく美柴。
あの俊敏な拳に もし指輪なんて付いていたら…それはおそらくもう ナイフなんかよりも立派な、鋭利な凶器だろう…。


「付けてるとこ、見た事がねぇーからな」
別に理由を聞きたいわけじゃなかった。
ただの会話の一端だ。
「………………。」
案の定、返事らしい返事は無かった。
だから?というような目でこちらを見返す。

「なんだ、苦手なのか?」
「………別にそうじゃない」
「他のは付けるじゃねーか。これとかよ」

そう言い、首筋に手を這わせ 妖しく撫でる。
ネックレスのチェーンを指に絡ませようとすると、べしっと振り払われた。
軽く笑うと むっと据わった表情が返ってきた。

くすぐったさが残っているらしく 首筋に手を当て気にしている美柴の横で、中条は自分が付けていた指輪を一つ外した。

「…?」
気がついた美柴が訝しげに 中条を見上げる。
その視線に ふと笑んで美柴の手を取る。

「……何?」
「逃げんなよ」
戸惑って振り払おうとする手を ぎゅっと掴む。
にやんと笑み、深く視線を合わせてから その薬指に指輪を通した。

別に深い意味は無い。
ちょうど入りそうなのが薬指だっただけの話。

「ちょっと緩いか?まぁいいか」
「…………………。」
「無くすなよ」
そう言って美柴の顔を見ると、困ったような なんとも言えない表情をしていた。

「……貰えない…」
「あー?聞こえねぇー」
遠慮した声色。
もちろん聞こえてはいたが、気がない返事で煙草を吹かした。

数年前から愛用していた指輪。
しかし美柴なら別に構わないかと思ったのだ。

「指、軽くなったわ」
「……………。」
はぐらかされた美柴は じっと嵌められた指輪を見る。
サイズの合わないそれを 何度か外したり嵌めたりを繰り返し、結果 外れないように指にしっかり差し入れて 握りしめた。

無表情なりに懸命なそんな仕草に、中条はぐいと身体を寄せる。

「もっと嬉しそうな顔しろよ」
「………別に嬉しくない」
「へぇ?」
「………………」
それ以上反論しない唇にキスをする。
美柴は深く絡むそれにも顔を背けない。
ふと吐息を零して 呼吸を求める危うい表情に煽られ、中条は満足げに笑った。


ーーー…………。


翌朝、毛布に入り込んできた冷たい空気に起こされて 中条は目を覚ました。

「……何してんだ」

ぐるりと寝返ると、ベッドから出ていた美柴が 何か探るように視線を彷迷わせていた。
声を掛けると ビクリと肩を張って、顔を上げる。

「……あ?どうした」
「……………早く、目が覚めたから」

微かに強張っている目元。
昨晩の衣服は着直しておらず、半裸。
目が覚めたならまず何か着るはずだろう。

「……だったらお前、服ぐらい着ろよ。朝っぱらから誘ってんのか?」
怪しいとは思ったが 寝起きで怠く、適当に流した。

「……………。」
それから、学校の時間が迫る美柴は身なりを揃えると 中条宅をあとにした。
終始、視線を床に彷迷わせたまま……。




ーーーーー……………



数日後。


「…ッ……ハ、アッ」
狭い壁を熱い熱に押し広げられる感覚。
苦しいような、待ち遠しいような、混乱する感覚だ。
身体を被せる中条の肩に、美柴は手を掛けて ギリリと指でその皮膚を引っ掻く。

「ッ、!」
しかし視界に入った自分の手を見て、ザッと中条の肩から手を引いた。
甘く衝かれた感覚に喘ぐ指先は行き場所を迷い、ぎゅっとシーツに縋る。

些細な行動を気にする事なく、中条は強く腰を打った。
懸命に吐息を逃がす唇を塞いで 組み敷いていた身体を抱え上げる。

「!?んッ」
自分が上になる体位になると悟り、美柴は抗うように中条の胸に腕を突っぱねる。
嫌だと小さく首を振って 起きまいとした。
けれど中条は まるで分かっていたかのように、キスを送って宥める。
突き上げる律動は一旦止まる。
ただただ唇を交わして、紅い髪を掬い撫でる。

「…ッ、ハァ…」
しばらくすると 強い刺激を焦らすキスに溺れて、身体は 素直に中条の首に腕を回す。

「…ッ起こすぞ」
甘えてきた身体を 胡座の上に抱き起こすと、美柴が はっと息を飲む。
腕の中で ぐっと強張る肩。
その緊張に 内壁がより一層狭まる。攻め入った中条の軸にも熱い快感が伝わる。
全身全霊で感じているその反応が可愛く、首筋に舌を這わせた。

「ッ…お前も動けよ」
「…アッ、無理、ッ」
下から攻め立てると、頼りなく揺れる。
眉を寄せて喘ぐ表情を楽しんで、余裕のない熱を握った。
触るな、と腰を浮かせるが許さない。強く突き上げる。
何度か繰り返す内に、耐え切れなくなった美柴が ぎゅうとしがみついてきた。

「…………。」
中条はその抱きつく力に応えて ぽふと頭を抱く。
片手に ベッドサイドからネックレスのチェーンを引き寄せていた。

「んッ……ハッ、ア…?」
急に収まった中条の動きに 美柴は顔を上げた。
抱きしめられ、少し戸惑ってしまう。

「……何、して…?」
中条は、後頭部辺りで何かしている様だ。
首を回し 後ろを見ようとした。しかし中条に肩を持たれて 向き合う形になる。

「これでいいか」
「?……ッ!これ…」
中条の指先が弾いたのは、ネックレスだった。
美柴の鎖骨に流れるチェーンに掛かっているのは、一つの指輪。
つい数日前のあの夜に、中条が美柴にあげた指輪だ。

「枕の下に入り込んでた。やっぱお前には緩かったか」
「……………」
笑んでいる中条とは反対に、美柴は俯いてリングに触れている。
無くしていたのが知られていて、罰が悪いらしい。
応えない美柴に焦れて、グン!と腰を突き上げる。
突然の動きに吐息を漏らして揺れた美柴は 唇を噛んで、思わず顔を上げる。

「んッ…」
「お前、さっきからずっと俺に手ぇ見られないようにしてたな」
「………………。」
薄く笑い、狼狽えている目を覗き込む。
頑なに目を反らしていた美柴は、中条の意地悪な視線に観念して 息をついた。

「……知ってたなら、先に言えばいいだろ…」
「それじゃつまんねーじゃねぇーか。後ろめたい気持ち抱えたまんまのお前が良い。そそられる」
「……………………。」
いつもの「変態」と言う台詞は飲み込んで ふいと顔を背ける。

「それに、こうゆう時の方が素直な反応するだろ」
「………性格悪い」
「そんな奴に貰った指輪、必死で探してたのはどこのどいつだ?」
「……………………。」
本当に悔しそうな表情。
それは中条にとっては物珍しい美柴の様子。
ははっ と笑い、一文字に結ばれた唇にキスを降らせる。

「俺がここまでしてやったんだ…無くすんじゃねーぞ」

両手で頬を包んで、視線を交わす。
意地を張っていた美柴も 中条の真摯な声に目を合わす。

「……無くさない」

頷いたと分かった次の瞬間には 深くくちづけ。
食らいつくようなキスだった。

「ッ、!」
「気ぃ抜くなよ」
そのまま押し倒し 華奢な脚を押し上げて突く。
逃げる隙など与えず、良い場所だけを攻め立てる。
「ッ、んッ…!!」
限界まで追い詰めるラストスパート。
は、は、と絶え絶えの呼吸が行き交う。
堪えきれずに上がる感極まった声を聞き、中条は余裕無くもふと笑う。

迫る絶頂の予感に奮え、しがみつく手の平を握り返した。
強く強く抱き合って 強張る快感を迎える。

「~…ん、ァッッ!!」
「…ッ」
白く飛び散る体液を感じる二人の間で、チャラリと音が鳴った。

リングは 美柴の上がった呼吸に合わせて、肌の上で上下していた。
まだ疼く甘い余韻に朦朧としながら、美柴がそれを握る。

「………無くさない…」

ぽつりと呟いた言葉。
それはまるで自分自身に確かめるようなものだった。





■残り少ない純情のカケラの、最後ひとつは… (ジレンマ/ポルノグラフィティ)

指輪をネックレスにするの、なんか好きだな。
なんとか手を見られないようにする美柴さんは、多分めっちゃ可愛い。
さりげなさを装いつつ、絶対に中条さんにバレてるパターンです。笑

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甘ーい中鴇にニヤニヤです!
手を見られないようにする鴇が可愛くて、きゅんきゅんでした。
そして私も中条さんに指輪もらいたいです…!←

素敵な中鴇でお腹いっぱいになりました(*´∀`)
奈子|2009/10/31(Sat)|Edit
甘ったるい中鴇ですね^^
大好物です!!!!!←え

私的には指輪を嵌め外ししている鴇さんに激しく萌えました(〃∇〃*)
可愛すぎるvV

そしてやっぱり変態な中条さん笑
指輪あげちゃうなんて流石ですw

鴇さんには肌身離さず付けててほしいですね(^ω^)
そしてたまに思い出して照れてればいい←←
ありこ|2009/11/01(Sun)|Edit
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